2010年06月22日

JAL企業年金問題・「年金のコワさ」




JAL(日本航空)の年金減額問題は、私的年金と公的年金を問わず

「年金システム」 そのもののリスキー(危険が多い)一面を教えて

くれます。



この問題のポイントは、


◇JALは、退職金を毎月の年金として受け入れる、「企業年金制度」

を設けていました。


JALには、職種別の労働組合が、8つもあって、労働条件についての

要求が強く、伝統的にコスト体質。


企業年金制度もその1つで、月額25万円(全日空は9万円)支給され

ていたといいます。


◇しかし、近年の世界的不況の影響もあって、JALの経営は悪化。

年率4.5%の運用を前提に算出した年金支払い予定額に対し、

約3300億円の積み立て不足が生じました。


JALは、日本政策投資銀行(そんな銀行があったとは知らなかった)

の融資で、資金繰りを続けてきましたが、その大部分が給与や年金と

して消えていき、この部分が経営出直しの大きなネックとなっていま

した。


◇JALの経営陣は、社員とOBに年金カットを提案しましたが、

企業年金の受給権は、法律で守られていて同意を得るのに難航。


しかし、現政権が法律を改正する動きが浮上。改正されれば、経営陣の

案以上に、きつい6割カットになることから、今年1月に現役5割、

OB3割カットという、日本の企業年金史上で最大規模の減額となり

ました。



結局どういうことか?というと、


手厚い企業年金が経営悪化の一因となって、会社が破綻。

社員やOBは、年金が減って老後の生活設計が狂ったということ。



JAL70代OBの男性は、

「社員の多くは、資金繰りを知らなかったので、年金が減らされると

聞いて最初は寝耳に水。私の世代は年金減額を免れたのでラッキーだっ

たが、3割減ったら生活を工夫しないとかなり苦しいのでは。」


「年金でつながっている限り、死ぬまで会社と縁がきれないとわかった

 と。


自分が何もできないところで、自分の財産に関することが動いていく

というのは嫌なものです。


それぐらいなら、退職するときにもらえるものを全部もらい、あとは

自分の知恵と責任で運用したほうがいい。


会社や国の年金に老後の生活を頼った場合は、時代や環境の変化に

よって、思わぬ目にあうこともあります。



JALのケースは、年金システムの、そんな危うさを教えてくれます。




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posted by 富力 at 14:14| Comment(1) | TrackBack(0) | なるほど年金問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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