◇義務教育の制度疲労
義務教育の制度疲労は、じつは、教師の問題とも言われています。
義務教育制度がだめになった理由は、
教員が身分保障されていること。外部のチェックがほとんどはいらない。
大学を出たばかりで先生と呼ばれ、教員同士でもなかなか意見を言えず、
よほどのことがないかぎり、クビにならない。
さらに、学校をチェックする機関がないことも問題です。
教育委員会も教師出身の人間が多数ということもあって、学校とのなれ合い
になってしまっているところも多いのが現状です。
どんな制度でも、やはり制度疲労します。
明治以来の制度や、システムがどんどん制度疲労を起しています。
義務教育もそのひとつなんです。
◇ただのものを大事にしないってどういうこと?
まず、駅前で配っているティッシュを我先にもらう人なんて、あまりいませ
んよね。
むしろ受け取らない人の方が多いかもしれません。
でも、スーパーや、ドラッグストアではティッシュが売れています。
ほんとうに必要なものや、品質がいいものには、みんなお金を出します。
国民の意識が上昇するにつれて、義務教育制度だけでは不十分になり、
子供たちは塾へ行くようになりました。
ところで、塾はタダではありませんよね?

お母さんがパートに行ってまで、なぜ塾に行かせるのか?
経済原理からいうと、人間は価値のあるものにはお金を払う。反対に、
タダのものはありがたがらないし、大事にしない。
たとえば、街でタダのボールペンをもらったとします。
そのペンが3日使っただけで壊れたら、文句を言いに行きますか?

そう。タダのものには、文句を言いませんよね。
高校も同じで、無償化にした場合、今以上に外部のチェックが入らなくなり
ます。
公立高校が無償になると、生徒や保護者は、「どうせタダだから」 と意見
や苦情を言わなくなってしまうだろうと。
教育はお金でなく、内容です。
通信制や定時制に通い、働きながら学ぶこともできるし、学生支援機構や
高校生の奨学金だってあります。
経済的な理由で高校に行けない人のためには、奨学金制度をもっと充実すれ
ばいいのです。
例外を一般化してはいけないのです。
高校の授業料を払えない人のほうが、はるかに少ないのに、それを
一般化して法案をつくるなんて、問題を隠すことになります。
公立高校の教育現場の崩壊が、見えなくなっていくんです。

今、小中学校で起きている学級崩壊や、いじめが高校で繰り返される。
そして、教員の質は落ちます。
塾の先生が熱心な理由は、評判が悪ければクビになるからです。
それにくらべて、外部からのチェックを受けない学校は、ますます教育内容
が落ち、教育現場としての秩序も保てなくなります。



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